イベント

2016.08.23

GHCワークショップ 「日本宗教史と世界を繋ぐ」

開催場所:東京大学東洋文化研究所3階大会議室

GHCワークショップ「日本宗教史と世界を繋ぐ」

【日時】   2016年10月22日(土) 15時 ~ 18時

【場所】   東京大学東洋文化研究所3階大会議室

【講演者】

   上島 享(京都大学 文学部 教授)

   伊藤 聡(茨城大学 人文学部 教授)

【コメンテーター】

   守川 知子(東京大学 文学部 准教授)

【司会】

   岡 美穂子(東京大学 史料編纂所 助教)

【企画の趣旨】

 本ワークショップにおいては、世界史との連動性がこれまでほとんど語られてこなかった前近代の日本史、とくに宗教史の観点から、日本人の世界観や世界史像の形成に繋がるご研究を発表していただきます。

 

講演1:上島享「世界のなかでの日本中世史研究 ―近代の史学史と日本中世の位置―」

要旨

日本中世史研究の立場から、近代の史学史(明治後期~昭和初期)を振り返るとともに、日本の中世という時代や日本という地域を、世界史的な視野で、いかに位置づけるべきかについて、私見を述べたい。

 京都の帝国大学のアカデミズムは、帝国大学(東京)出身者が核となって成立するが、当初より差異化が意識しされていたと思われる。例えば、京都では日本史においても、広く世界史や人類学などを視野にいれた研究・教育が行われていた。かかる特徴を日本の歴史学の形成期に位置づける作業をしたい。その上で、自身の研究成果を踏まえて、日本の中世、さらには日本という地域の特徴について私見を述べるとともに、課題を論じたい。

 他地域の研究者との議論を期待するものである。

 

講演2:伊藤 聡「日本中世の神話叙述における屈折―三国世界観のなかで」

要旨

 日本中世において、その時代状況に相応するように記紀神話が改変・再解釈されたり、また数多くのあらたな神話が製作された。これらを、中世神話(あるいは中世日本紀)と、今日よんでいる。中世の世界把握の基調は、仏教伝来の経路に基づく三国世界観であり、中世神話もその枠組みのなかで発想されている。そこで追求された主題のひとつは、三国における日本の〈固有性〉〈差異性〉〈優越性〉であるが、実のところ、その言説は往々にして外来的要素を「密輸入」することによって証拠立てられていたのである。本発表では、いくつかの中世神話や関連する所説を取り上げ、このような屈折の位相を考えてみたい。

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