活動報告

2019.01.26

ワークショップ " National Narratives of Global Integration(グローバルな統合のナショナルな語り)" (2019.1.25-26)

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2019年1月25、26の両日、GHC4拠点の主要な研究者が集まり、”National Narratives of Global Integration(グローバルな統合のナショナルな語り)”と題するワークショップが、東京大学東洋文化研究所で開催された。

GHCでは、同じタイトルのワークショップが、すでに3回持たれており(第1回、2017年9月、ベルリン、第2回、2018年1月、プリンストン、第3回、2018年6月、パリ)、これが4回目の会議となる。このテーマは、4拠点の研究者が参加できる共同研究のために、プリンストン大の Jeremy Adelman が提唱したもので、今回は、ベルリンから2人、パリから3人、プリンストンから3人、東京から3人の合計11人が、発表者、あるいは討論者として出席した。プログラムの詳細は、以下のサイトを参照されたい:https://coretocore.tc.u-tokyo.ac.jp/events/2018/12/ghc-4national-narrative-of-global-integration-2019125-26.html

参加者はあらかじめ配布された発表者のペーパーを読んでおくことが要求され、各ペーパーに割り当てられた1時間の大半は、討論者と他の出席者によるコメントや質問とこれに対する発表者の応答によって占められた。これは従来と同様の会議運営方法である。過去3回の会議を経て、発表者のペーパーのテーマと内容は多くの参加者に共有されており、議論は高いレベルで、しかし親密かつスムーズに進んだ。コメントの多くは、ペーパーの個々の論述内容についてというよりは、この会議に提出されたペーパーが備えるべき共通の視点と個別の特徴、グローバルヒストリー的なアプローチの方法に関するものが多かった。

すべての報告が終了した後で、Adelman から、論文集出版に向けての具体的な目次の構成についての提案があったが、まだすべてのペーパーが完成の域に達しているわけではないので、もう1回まとめの会合を今年の後半に持つのがよいのではないかとの意見が出た。

文系の国際共同研究では、研究の趣旨説明はあらかじめメイルなどで示され、論文集を作るためにメンバーが集まる会議は1回だけというスタイルが多い。これに対して、本ワークショップはGHCの利点を活かし、同じメンバーが何度も集まって互いの関心をよく理解した上で、相互にペーパーを批判しあうとともに、内容のまとまった論文集を作るために意見交換を重ねることができている。論文集の完成まではまだ少し時間がかかるが、学術的に意味のある国際共同研究が進んでいると言えるだろう。

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