活動報告

2019.02.16

グローバルヒストリー研究をめぐる意見交換会―総括と今後の展望 (2019.2.16)

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2019年2月16日、大阪大学中之島センターで、「グローバルヒストリー研究をめぐる意見交換会―総括と今後の展望」が開催された。これは、GHC東京拠点の研究者たちと、大阪大学先導的学際研究機構グローバルヒストリー研究部門の研究者たちが一堂に会し、これまでの二つのグループの活動を紹介するとともに、今後どのようにより緊密な協力関係を築くかについて話し合うためのもので、会場の都合もあって関係者限定の会合として設定された。司会は大阪大学の秋田茂教授が担当した。

第1部では、GHC東京拠点と大阪大学からそれぞれ3人の研究者が報告を行った。

  • 桃木至朗(大阪大学)「海域アジア史の役割:前近代グローバルヒストリーと歴史教育の刷新に向けて」

  • 古谷大輔(大阪大学)「通約可能性の探究―礫岩国家研究とリンネ博物学研究の往還から見えたもの」

  • 秋田茂(大阪大学)「アジアからのグローバルヒストリー構築の試み―GH ConsortiumとAAWH」

  • 羽田正(GHC東京)「Global History Collaborativeの5年間」

  • 松方冬子(GHC東京)

  • 佐野真由子(GHC東京)

    続く第2部は、「グローバルヒストリー研究をめぐる協力体制の模索」と題し、二つの拠点が協力して、どのように日本と世界で特色のある新しい世界史/グローバルヒストリーの教育研究を展開するかが話し合われた。

    2つの部を通じて、2つの拠点の特徴と活動について双方の理解が深まり、来年度以後、より具体的な協力関係を築くことは十分可能だと感じられた。 いくつか印象的だった提案やコメントを紹介しておく。大阪大学側からは、秋田教授が会長を務めるアジア世界史学会を活用した、特にアジア諸国の研究者との連帯強化が提案された。一方、GHC東京の研究者からは、主に「西洋」の研究者との会議において日本人研究者が採用すべき具体的な戦略が紹介された。また、新しい世界史/グローバルヒストリーの研究に関心を持つ若い世代を両拠点の運動に引き込む方法、特に日本社会一般への研究成果の還元の方法などについても話し合われた。

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