2016.05.27
女性から描く世界史―17~20世紀への新しいアプローチ
出版社:勉誠出版 / 発行年:2016/4 / ページ数:312ページ
2016年4月、勉誠出版より『女性から描く世界史―17~20世紀への新しいアプローチ』(水井万里子・伏見岳志・太田淳・松井洋子・杉浦未樹 編)が刊行されました。
今日まで描かれてきた世界史の中に、女性たちの姿をくっきりと見出すことは容易ではない。世界史の研究・叙述の新たな方向性が検討される現在、「女性とともにある」世界史の叙述は可能なのか。
東南アジアから、アジア諸地域、ヨーロッパ諸地域、中南米までを視野に入れ、1中心をずらし、女性から描く新しい世界史叙述、2史料の制約が前提となる、 世界各地の女性のライフイベント比較史、3異文化接触地域における女性たちの可視化、3つのアプローチから、世界史の中に女性を見出すための新たな方法を 探る。
目次
序章 水井万里子・伏見岳志・太田淳・松井洋子・杉浦未樹
第1部 東南アジアから広がる「女性の世界史」―叙述へのアプローチ
第1章 東南アジア女性はどう描かれてきたか―17~19世紀ジェンダー史研究の粗描 太田 淳
第2章 近代インドネシアにおける民族主義の展開と「混淆婚」
―ニャイと欧亜混血者の陰 弘末雅士
第3章 オランダ領東インドにおける婚姻規定の歴史的変遷―本国婚姻規定との関連において 吉田 信
第4章 近世ケープタウン女性の家財運用―財産目録とオークション記録の分析 杉浦未樹
第5章 近世オランダ都市女性の経済的機会―ギルドとジェンダー規制の分析から ダニエラ・ファン・デン・ホイフェル(朝倉未樹:翻訳)
第2部 ライフサイクルからみる女性の可視化―実証からのアプローチ
第6章 オスマン帝国の女性と教育―女子師範学校の試み 長谷部圭彦
第7章 ジェンダー史としての植民地朝鮮教育史―「不就学」からみた植民地の史料批判 金 富子
第8章 スペイン領メキシコの相続制度に関する諸問題 伏見岳志
第9章 ムスリム女性の財産獲得―近代イラン有力者家族の婚姻と相続 阿部尚史
第10章 近代市民法の成立と女性の財産権―ドイツ法・フランス法・日本法の比較から 三成美保
第3部 コンタクト・ゾーンの女性たち―境界をめぐる比較のアプローチ
第11章 境界を表象する―「広東システム」と水上居民女性 村尾進
第12章 人の移動と境界の場の男女関係―長崎の事例から 松井洋子
第13章 イギリス東インド会社の初期インド植民都市建設と女性 水井万里子
第14章 「境界」を考える―前近代インド社会における婚姻と集団意識 和田郁子
第15章 英領インドにおける〈植民地的遭遇〉と女性たち―法・道徳・境界 水谷智
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